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手放したら、受け取った話。

先日母が、私の四つ葉のクローバーを当てにして、
知人に「今度あげるね」と約束したらしい。
その知人に明日会うので欲しいと言う。

確かに私はよく四つ葉のクローバを見つけるけれども、
そんなにすぐに準備できるものではないし、
今手元にあるのは、珍しい特大のクローバーでとても大切にしているもの。

 

「そんなこと急に言われても無理! 勝手に約束なんかしないでよ。」
と文句を言った。

母はちょっとしゅんとして、
「分かった。採れなかったと言っておくよ。」
と言うことで、とりあえず一件落着した。

 

けれども、どうも私の気持ちがしっくりこない・・
あんなに大きな四つ葉は滅多にとれないからあげたくない。

でもそこにあるのは、
“滅多に採れない”
という思い込み。

 

きっとこれを手放さないと、
その“滅多に採れない”という現象は起こり続けるんだろうな。。。

“人が喜んでくれるんだったらいいじゃない。

これを手放すことで、
たぶんまた同じくらい大きな四つ葉のクローバーと出会えるはず!!”


そう考えを改め、翌日、母に少しぶっきらぼうに、
「これ、もういいよ。あげる。」
と手渡した。

そうして朝、ゴミを出すために外へ出て、庭に戻るとパッと見つけた、
母にあげたものに勝るとも劣らない、特大の四つ葉のクローバー!!

いや、見つけたというより、
「目が合った」という表現が正しいかも。


そのとき思った。
「ああ、宇宙はそうやって確実に答えてくれる。」
そう、私はいつも宇宙に向かって、祈り、願いを送る。
そんな毎日を送っているのだ。

部屋に戻って、摘んだばかりのそれを母に見せると
目を丸くして驚いた。
そしてそんな母に、私は言った。

「あのね、さっきのクローバーを手放したから、これを見つけたんだよ。

だってね、手をグーにしていると何も入ってこないでしょう?

でも手をパッとひろげて、握っている物を手放したから、入って来た
んだよ。」


それを聞いて母は、
「なるほどね~。あんたもたまにはいいこと言うね。」
と言った。

そして私もちょっと得意げに笑った。

 

 

 

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